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2008年4月 7日 (月)

マズローの欲求五段階層説

メンテナンス的に通院されている患者さんが、最近、夕方になると友人と飲みに行きたくなるような癖がついているようで、友人と飲みに行く回数が増えて、これではよくないのではないかと心配されているとの相談を受けた。

本質的な原因を調べてみると、奥さまに自分のことを認めてほしいという承認の欲求が隠れていた。

脳はその欲求を埋めるために、外へ飲みに行くことで、満たされると錯覚するが、飲みに行ったあとは、いつも虚しさを感じるという。その悪循環が繰り返されているということで、飲みに行きたくなるという欲求が繰り返されていた。

有名な「マズローの欲求の五段階層説」では、第一層に生理的欲求、第二層に安全の欲求、第三層に所属の欲求、第四に自尊の欲求、第五に自己実現の欲求があると述べられている。

このクライアントさんは、経営者の方で、傍から見れば、事業も成功されて、ご家族も円満で、客観視すれば、ご自分でもそのことは認めているのであるが、さらに高次元の欲求を満たそうとされている様子。また、マズローの五段階欲求説で示されているような「自己実現の欲求」へと、なかなかすすんでいかない自分にも悩まれているらしい。

マズローの欲求の5段階層説で述べられているように、人それぞれの欲求のレベルは異なるが、どのレベルだからと言って、良いとか、悪いとか、次元が低いとか高いとかは判断できないだろう。

大昔の狩猟・採集時代では、生理的欲求や安全の欲求を満たそうとする人が多いいだろうし、戦争がある時代では当然、安全の欲求が高まる。

マズローのような五段階説のレベルを見ると、人は高位の自己実現の欲求を満たすように努めなくてはならないと、決めつけてしまう人も少なくはなかもしれない。また、階段を上るように、生理的欲求から安全の欲求へ、さらには自己実現の欲求へと登らなければ、人間失格という錯覚が生じるかもしれない。

そのような「全か無かのような思考パターン」になると、生理的欲求や所属の欲求などを持つ自分に否定的になり、自虐的な結果にもなりかねない。

世の中には、自分の能力・可能性を生かして、自己の成長を図りながら世の中に貢献したいとういう自己実現への欲求につながっている人はたくさんいる。しかし、この段階へ達したからといって、生理的な欲求が無くなるわけではない。その欲求よりもさらに自己を満足させる自分を発見したという意味で、自分を満足させる波長が広がったと解釈した方が、より矛盾なく、その段階を自然に受け止められると思う。

欲求の規模の大小にかかわらず、本来は人それぞれに自己実現の欲求を持ち備えているのであるが、違いがあるとすれば、その波長が狭いのか、広いのか、柔軟性があるのか、柔軟性がないのかによるのではなかろうか?

人それぞれにその欲求の波長は異なり、環境や時代の変化に伴って、その欲求は変化するという前提条件も認識することが必要だろう。

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